2月27日朝の8:00、毎年恒例のいかなご漁の試験曳きが行われ、島内外から岩屋漁港に多くの人が集まりました。
「今年は採れんのかのう」、「大きさはどないじゃ?」「他の魚は入ってへんか?」
魚を確認する関係者の顔は真剣そのもの。なぜかというと、この小さな1つのカゴに入ったいかなごで、今年の漁の良し悪しが決まるから。岩屋全体の景気にも影響する大事な一日なのです。
町にはいかなご運搬に使う空ケース(それぞれの屋号が書いてあるのも特徴)を積んだ軽トラックが忙しそうに走り回り、喫茶店ではその話でもちきり。
「昔は町全体が、くぎ煮を炊く醤油の匂いに包まれとったわ。」とは、大げさな話ではなく、各家庭で作られていたそうですが、今やいかなごは高級魚。キロ単位でくぎ煮を作る家はめっきり減って、地元の方でもスーパーで少量を買うところが増えているといいます。
そんな一日のさなか、また地域行事の準備も進められています。石屋神社の祭礼・浜芝居。朝は20隻以上の漁船団による大漁旗をなびかせての海上パレード、午後には恵比須舞(えびすまい)という豊漁を祈願する浜芝居が行われます。お昼に振る舞われる魚カレーも人気です。最後には、淡路のイベントでは恒例の「餅まき」も登場。このお祭りでは、袋の中に豪華景品が入っているので、よりいっそう白熱した取り合いが行われます。
豊漁と海上安全を願う「岩屋浦祈祷祈願祭」は漁師町、岩屋での春の訪れを告げる伝統行事なのです。