お茶会のお弁当
芦屋は自宅にお客さまを招いて楽しむホームパーティーが盛んな土地柄です。
そのため、特に女性はいろいろなおもてなしのノウハウを身につけておかなくてはなりません。そこでお料理、テーブルコーディネート、フラワーアレンジメントといったレッスンに通っている女性がとても多いことに、京都から嫁いできた当時、私はとてもびっくりしたものでした。
芦屋に来て20年、私もようやくそんな文化にちょっと馴染んできて、家で時々おもてなしをするようになりました。私のおもてなしジャンルは「お茶会」です。10年前に始めた茶道と好きな料理のコンビで、お茶会を開いて友人知人とのひとときを楽しみます。
「これなんだ?」に使った写真は、そのお茶会のために私が作ったお弁当です。
よくよく見ると、同じパターンが4つ。そうです、これは4人分のお弁当です。
実はこの日は6人のお客さまがあったので、お弁当も6つ作ったのですが、画面に収まらず、4つで幾何学模様にしてみました。
結婚した当初は、「ようやるわ」と思って見ていた芦屋のおもてなし文化でしたが、やってみるとなかなか奥が深く、面白いものです。器のこと、お花のこと、食べ物のこと、そして家に置く調度品やアートのこと、いろいろなことについて学び、そこそこ恥ずかしくない選択や、時にはそれらしい言い訳も考えなくてはなりません。
こういう状態を通して分かったことが2つありました。
一つは、切羽詰まった状態を通して、人は学びを深めるものだということ。
もう一つは、何でも一朝一夕にはできないから、今すぐ必要でなくても学びを始めて、準備をしておくことが大事だということ。
このことを20年前に分かっていれば、きっと私の人生も違ったことでしょうに、ちょっと残念です。