ガイドブックには絶対載らない、淡路島の“革命児”たち Vol.2

淡路島の魅力は「人」にあり!!移住者目線で見つけた、淡路島で頑張る面白い人たちを紹介する連載です。

Vol.2 (続編)「旨辛食堂るつぼや」-from 洲本

「ガイドブックに載っている情報は、もうつまらない!!」東京から淡路島へ移住して2年目の暮らしナビゲーター・藤本沙紀がお届けするこの連載では、メジャーな観光スポットやお店ではなく、いま、淡路島に新しい風を吹かしているめちゃくちゃカッコいい革命児たちにスポットを当ててご紹介します!読み終わる頃にはきっと。きっと、あなたも会いに行きたくなる…。では、「旨辛食堂るつぼや」第二回目の続編、スタート!

 

チンピラ百姓、カレー屋店主になる。

旨辛食堂るつぼや

昔から食道楽で、飲食の仕事に興味を持っていたという馬崎さんは、実は大阪の出身。淡路島に移り住んだのは、いまから10年前のことでした。でもそもそも、なぜ淡路島だったんでしょうか?それは…

「橋が無料だったから。」
※橋…明石海峡大橋(当時は無料で渡れたんだそう)

しかしそんな理由からたどりついた淡路島で、馬崎さんがまず始めたのは、なんと百姓。意外にもこれが結構ちゃんとしていて(失礼)、日本では生産が難しいとされているデュラム小麦の生産を、淡路島で初めて成功に導いたパイオニアなんだとか。(※自称)もちろん、作っていた野菜も全て無農薬というこだわりよう。その、百姓時代の馬崎泰成が…コレだ!

旨辛食堂るつぼや

オイオイ、お遊びがすぎるぜ…てゆーか髪の毛あるし。しかもなかなかイケメンじゃねーか…。(※もちろん、このときはまだ痛風ではありませんでした。)

でもね、「旨辛食堂るつぼや」のルーツにもなっている、“味付けでごまかす料理は作りたくない”という料理人としての志は、この百姓時代の経験が原点になっているようです。

残念ながら、一度目は猪に荒らされ、二度目は水害の被害に合い、終いには、太陽光パネル設置のため強制終了という無念の結果に終わった百姓時代ではありましたが、今度は「とにかく味には自信があった!」というカレーを極めること数年。

旨辛食堂るつぼや

イベント出店からスタートし、時には深夜の商店街に屋台を組み立て、「夜鳴きカレー」と称して夜な夜な営業していた時代も。

旨辛食堂るつぼや

そんな地道な努力の末に、念願の「旨辛食堂るつぼや」がオープン。早くも3年目を迎え、淡路島内ではその知名度が着実に浸透してきている、いま、まさにキテいるお店なのです…!

“無理矢理食べさせる伝説”健在!

旨辛食堂るつぼや

「そうそう、藤本さん、試作品のこれ、食べてみてくださいよぉ!」

そう言って出してくれたのは、新作だという「るつぼや焼き」。焼き肉屋さんでは主流だという、希少部位のミスジのブロック肉です。

「じっくり時間をかけて低温調理した、ステーキとローストビーフの美味しい部分を“良いとこ取りした”みたいなメニューです!まぁ、食べてみたらわかります!(キラキラスマイル)」

ステーキみたいに食べ応えのある、ローストビーフと言ったところでしょうか。確かに、“良いとこ取り”の意味が良く分かる、贅沢な一品。

いやー、これはお酒が欲しい!!(取材中だったので水で我慢。)

「これをね、今後は真空パックにして、淡路島の新名物としてお土産商品にしようと思ってるんです!」

一皿600円なんて言うから驚いて一瞬、のどに詰まりそうになりましたが、コスパ良すぎです。利益とか度外視です。そう、これが馬崎泰成なんです。

旨辛食堂るつぼや

そして初めての出会いから薄々気づいてはいたけれど、どうやらこの馬崎泰成という男は、全くもって悪意ゼロの、優しさ溢れるサービス精神が少し。いや、かなり強いようだ。

実は、お友達の常連客Rさんからも、こんな情報を入手したのだ!!

旨辛食堂るつぼや

ある日の晩、一人でカレーを食べに来ていたというRさん。隣の席には、男女のカップル。

女性が、ヤーマンカレーの小を頼むと、なかなかの大皿を手に近づいてくる馬崎泰成…「あれ?彼氏さんの方が頼んだのかな?」そう不思議そうにRさんが見つめていると、

「はい、ヤーマンカレーの大です!」

あろうことか女性の前に置いたではないか!!!もちろん、きょとんとする女性。

馬「サービスです!!」

女性「いや、小を頼んだんですけど…」

馬「いえ、大丈夫です!サービスです!」

…違う違うっ!遠慮じゃないよ、マジで食べられない方の「小」だからー!(誰か教えてあげてーっ!)

しばらく笑い転げたのは言うまでも無い。

旨辛食堂るつぼや

好きだわ~。馬崎泰成、好きだわ~…。

“人種のるつぼ”…屋?

旨辛食堂るつぼや

「今日取材に来てもらっても、予約とか一件もないんすよ。」とか言っていた割には、家族連れやフラっとやって来る一人のお客さんなどで結構賑わっていた平日の夜。取材も終盤、そろそろ帰ろうかと思っていた、そんなとき…

旨辛食堂るつぼや

カランカラーン♪(ドアが開く音)

なぜか両手を袖の中に隠して前に構え、まるでキョンシーのようにふらりと入って来た一人の客。そしてまぁまぁ他にも席が空いている中、なぜかわたしが座る4人掛けテーブルの向かいに当たり前のように鎮座する男こそ…

旨辛食堂るつぼや

淡路の生き字引こと、孝子(こうし)勝(まさる)さん!※美容院「シザーハンズ」店主

(はじめましてなのに、なんかすんごいいろいろ親身に話聞いてくれるんだけど…やった、今度呑みに連れて行ってくれるって…!なんか洲本では超有名な人みたいよ?※後日この方の一声で始まったBBQには、ざっと20人が集まっていました)

そんな考子さんも交えながら、気を取り直して取材再開。

今度は馬崎さんが仕入れているという、こだわりの無農薬農家さんについてお話を聞いていると…

旨辛食堂るつぼや

なんとご本人登場…!!

旨辛食堂るつぼや

「“呼ぶより謗れ”やな…クック…」

旨辛食堂るつぼや

川淵さんの無農薬野菜は、淡路島内のいろんな飲食店がこぞって利用している、人気の野菜。わたしの知り合いのお店も、川淵ファンでした。

ちゃっかり宣伝までしてるし…抜かりないぜ、馬崎泰成…。

でも本当に、野菜一つひとつの味がしっかりしているし、なによりめちゃくちゃ甘いんです!そんな川淵ファームの野菜もたっぷりいただける「旨辛食堂るつぼや」、はいみなさん覚えて帰ってね!

旨辛食堂るつぼや

いろんなキャラの強い人たちが、ひっきりなしにやって来る「旨辛食堂るつぼや」は、まさに“人種のるつぼ”。そうこうしている内に、取材に来たはずなのに普通に楽しんじゃって気付けば4時間が経過していました。(アルコールなくても全然イケるこのお店!笑)

旨辛食堂るつぼや

こんなに毎日がネタだらけの楽しいお店、他にないよね。

「また来よう♪」

お肉も野菜も“馬崎”も間違いないことを改めて確信した「旨辛食堂るつぼや」の夜は、今宵も平和に営業中…かもよ!?

完。

 

<旨辛食堂るつぼや新名物・るつぼや焼き>

一皿 ¥600
希少部位を低温調理でじっくりと時間をかけて、とろけるような柔らかさに仕上げました。
うまみがギュッとつまったお肉と、甘~い川淵ファームの無農薬野菜を一緒にお召し上がりください。

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旨辛食堂るつぼや
所在地/兵庫県洲本市本町4-2-23
営業時間/18:00~翌0:00(L.O.23:30)
定休日/月曜日
TEL/0799-20-5761
Mobile/080-5369-1945
Facebook/旨辛食堂るつぼや

写真・記事:藤本沙紀

この暮らし体験のナビゲーターについて

藤本沙紀

お住まいのエリア:洲本市
職業・所属など:紡ぎ屋(プロデューサー/ライター)

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