東京・新宿に再現した「島&都市の匂い」レポート ~神戸編~

去る6月25日(月)~7月1日(日)の1週間、東京メトロ新宿駅東口地下通路に、巨大な鼻のオブジェが出現。地下道に突如出現した不思議な鼻に、道行く人は興味しんしん。

去る6月25日(月)~7月1日(日)の1週間、東京メトロ新宿駅東口地下通路に、巨大な鼻のオブジェが出現。その中に入ると、島&都市デュアルに参加する4市の特徴的な臭いが体感できるというプロモーションが行われました。

地下道に突如出現した不思議な鼻に、道行く人は興味しんしん。鼻の中に頭を突っ込むと、神戸と淡路を代表する香りをかいで、「おもしろ~い!」「たのし~い!」。地下道に笑いが広がりました。
1週間で5,000人近くの人が島&都市の匂いを体験し、1500人以上の人がSNSに投稿したりフォローしたりしてくれました。

この匂いが体験者の“嗅覚”を刺激して、島&都市デュアルに参加する4市(芦屋市、神戸市、淡路市、洲本市)に興味を持ってくれるといいですね!

鼻で流した「島&都市の匂い」はこうして採取!

さて、この巨大な鼻で流された匂いですが、イベント開催の約1カ月前の5月21日と22日に、神戸と淡路島で採取が行われました。
神戸での匂い採取の様子を、芦屋ナビゲーターの渡辺直子が、淡路島での採取の様子を、淡路市ナビゲーターの堺野菜穂子が、それぞれレポートします。

匂い採取隊、到着! 六甲山へ。

匂い採取隊

21日の午前11時過ぎ、新神戸駅に東京からの匂い採取隊が到着。
左から静間さん、山田さん、坪内さん。
静間さんと坪内さんは、「Scentee」という、匂いとデジタルを融合させるユニークな会社のスタッフ。ベーコンの焼ける匂いで起こす目覚ましアプリを作り、世界最大級の広告賞「カンヌライオンズ」モバイル部門で、日本企業初の銀賞を受賞したこともあるそうです。

この日の神戸は快晴で、持ってこいのロケ日和。レンタカーに乗りこんで最初の匂い採取地の「六甲山」へGO! ところで「六甲山」の匂いっていったいどんな匂いなんだろう?果たしてそんな漠然とした臭いが採れるのものなのか? 一抹の不安を抱えつつ、ワタシも最後に乗りこんで、一路六甲山を目指しました。

六甲山の匂いはこうして採る!

20分後、私たちが着いたのは、六甲山系の再度山。とある六甲山に詳しい人に教えてもらった、山の匂いが濃いと思われるスポットです。その人いわく「その辺りは大龍寺というお寺の寺域なので、大昔からの巨木が手を入れられずに残っているから、森の匂いが強いと思うよ」。
着いてみると「なるほど香るわ」と坪内さん。そこでまずはここで採取することに。
東京から持参したトランクの中から、吸引機のおばけのような装置を取り出して、静間さんが匂いの採取を始めました。
その様子はまるで宇宙との交信。知らない人が見たら、きっとアブナイ人に見えるはず。
ちなみにここでは20分ほど、こんな感じで匂い採取しました。

一方、坪内さんは、採取した匂いのチェック。
採取した匂いは東京へ持ち帰って成分を分析し、それを化学的に合成して再現するのだそう。
「森の匂いは複雑だから、成分を特定するのに手間と時間がかかるし、それを化学的に再現するのもなかなか難しいんですよね」と坪内さん。

六甲山での匂い採取

大龍寺付近と、そこからさらに奥に入った再度公園の林で、のべ1時間ほど作業を行い、六甲山での匂い採取は終了。果たして採取された六甲山の匂いは、どんな風に再現されて新宿に登場するのでしょうか⁈ その日(6月25日)が待たれます。

次は日本最古の珈琲店へ

六甲山での作業を終えた一行は、山を降りて元町へ。
次は元町商店街の中にある、日本初の珈琲店「放香堂珈琲店」での取材です。
「放香堂珈琲店」は元々は京都の宇治茶を販売する茶舗でした(今もそうです)が、その後、コーヒー豆の輸入も始め、やがて日本初の珈琲店を開いたといわれています。

日本初の珈琲店「放香堂珈琲店」

当時輸入していたのはインド産のアラビカ豆。それをコーヒーミルではなく石臼で挽いたそう。それを再現した豆は「麟太郎」という名前で販売されています。
ここでの匂い採取隊のミッションはコーヒー豆を購入すること。
坪内さんいわく「この豆を持ち帰って匂いを分析するのがいちばん正確」。
六甲山の時とは真逆の、超合理的な匂いハンティング。
かくして放香堂珈琲店での匂い採取は、あっという間に完了しました。

放香堂珈琲店での匂い採取

画像と音の採取にひと苦労

その一方で、粘りに粘っていたのが、画像と音の採取を担当する池田カメラマン。
石臼でコーヒー豆を挽く音を採取する時には、表から流れてくる商店街の案内放送との闘い。
熱湯を豆に注して膨らませながら落とすシーンは、店員さんにお願いして何度もリテイク。
OKになった時には、店内にいたお客さんから「ようやった」と思わず拍手が起こりました。

画像と音の採取にひと苦労

最後に、忙しい中ずっと取材に付き合ってくれた店員さんを、感謝を込めて激写。
このあと、私を除く4人は、淡路島での匂い採取へと旅立って行きました。

この暮らし体験のナビゲーターについて

渡辺直子

人の喜ぶこと、楽しむことを考えて実行することが好きで、特に旅と料理の企画が得意!

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