その音楽イベントの名前は「アシオト」。「芦屋の音」と「足音」を掛けたネーミングです。
イベントの内容は、JR芦屋駅前に広がるペデストリアンデッキで、入れ代わり立ち代わりさまざまなミュージシャンが登場して自分たちの音楽を披露してくれるというもの。出演するのは京阪神で活躍するプロ、アマ、セミプロたちですが、形態はどうであれ腕がいいことが出演の条件。実力派揃いの演奏は、ずっと聴いていても飽きることがありません。
このイベントにはもう一つお楽しみがあります。「ゲリラライブ」です。ミュージシャンたちが芦屋のまちに散らばっていって、ちょっとしたスペースや店先で突然ライブを始めるのです。道行く人は「なんだ、なんだ⁈」。お店は「お客さんが喜ぶからやってやって!」。
まちかどのそこここで音楽の輪が生まれて、ステージ演奏にはない面白さです。
ミュージシャンと聴衆の安全確保をするためもあり、毎年、県立芦屋高校ボランティア部の生徒さんが付き添いをしてくれるのですが、その硬くて人馴れない姿とミュージシャンのコントラストもまたいい感じです。
実はこのイベントのプロデューサーをつとめているのは私の友人です。本業はフリーランスのライターですが、とにかく音楽が好き。いったい年間いくつのライブに行っているのか、本人でさえも把握していないのではないかと思うほどの熱心さです。
そんな彼女が自らライブに足を運んでこれぞと思うミュージシャンを選び、出演交渉をし、構成も考え、現場も仕切って開催されるのがこのイベント。そこで演奏される音楽もさることながら、「好きってすごいなぁ」と感心するのが、私流のこのイベントの楽しみ方です。