【農業~島編~】冬限定、山で楽しめるごちそう

島&都市ショートコラム。淡路市長澤地区に冬のみオープンする食堂で味わえる、山の恵み。

私の好きな食べ物のひとつ、とろろご飯。東京に住んでいた頃は、とろろと言えばスーパーに売っている長いもをすったもの。自然薯の存在は知ってはいたけれど、高級食材というイメージで普段目にすることもなく、一度だけ和食料理店で食べたことがあるのみでした。

淡路島に来て驚いたのは、道の駅でも自然薯が売っていること。長くて立派なものから、折れたものを集めたリーズナブルなものまでそろっています。長いものはお祝いやお礼にお友達に送ったり、折れたものは自宅用に購入して焼き物やとろろにして楽しんでいます。

自然薯は、山に自生している日本原産の野生種なのだそうです。ネバリが強くて、すったものを器にいれて、さかさまにしても落ちてこないほどです。またポリフェノールが多いそうで、すると褐色に変色します。

自然薯を育てているのは、淡路市北部の山の中、田園風景に囲まれた長澤という地区です。
山に自生していたものを地域の特産品に育てようと40年近く前に、畑で栽培を始めたそうです。

1月~3月までの自然薯が収穫できるシーズンには、毎月第4日曜日に地域の方々が運営する「自然薯食堂」が開店します。

自然薯食堂

練ればねるほどにネバリとコクが出るという自然薯。厨房では、手作業で丁寧にひげ根を取り除いた後、すりばちで丹念に練り上げ、少しずつお出汁を加えて伸ばしています。家庭ではなかなかここまでできませんよね。

自然薯とろろ汁とすまし汁、ごはん、漬物、ねぎ、そしてお好みで加えるという醤油ムースがセットになった、「自然薯とろとろ」。

とろろ好きにはたまならない一品です。
調味料以外は長澤の農作物を使ってるそう。淡路の中でも標高が高く寒暖差のある長澤地区で作られるお米やお野菜は美味しく、私も見かけたらすかさず購入します。
中でも大根は東山寺大根と呼ばれる名産品で、甘くてみずみずしいのが特徴。自然薯食堂が開店している日は直売所もやっており、お野菜、お米、自然薯など販売しています。

冬だけに楽しめる山の恵み、味わいに来てはいかがですか?

自然薯食堂
1月~3月の毎月第4日曜日 午前11時~午後2時開店(淡路市長沢620-2)

この暮らし体験のナビゲーターについて

高木恵美

お住まいのエリア:淡路市
職業・所属など:ハタラボ島協同組合

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