「デュアルな暮らし特別体験ツアー こだわり島暮らしコース」レポート 「野菜ってこんな味なんだ!」大感動の、収穫体験!

島&都市デュアル 暮らしツアーズの「デュアルな暮らし特別体験ツアー」の1日目、淡路島のコースの一部を島に移住して1年の暮らしナビゲーター、藤本が2本の記事に分けてレポートします。

淡路島の左側に位置する、夕日が綺麗なことで有名な五色は、淡路島の中でも粘土質の肥沃な土地に恵まれた、農作物が育てやすい地域です。特に花岡農恵園のある鮎原地区は、水がキレイで、鮎がたくさん棲むことから、「鮎原」の地名で呼ばれるようになったと言われています。そんな農業に適した土地で、先祖代々、農業を営まれてきた花岡農恵園では、年間30品目もの野菜が育てられています。

“花岡農恵園流”水菜の栽培方法を、丁寧に教えてくれる花岡さん

まず最初に向かったのは、自然農法で育てる水菜のトンネルハウス。この不織布は、寒さ対策のためにかけられているそうです。でも、どうして無肥料で、美味しい作物が育つのでしょうか?その決め手は、土にありました。そう、花岡農恵園の農業は、まず土作りから始まるのです。初めに、これまで肥料や農薬がたくさん使われてきた土から、それらの要素を抜く「肥毒」という作業を行います。そして元々、土に備わる微生物を、じっくり、ゆっくり育てていきます。すると次第に、土の中で共存する微生物たちは、力を高め合い、“土のバランス”を整え始めます。こうして自然の力だけで“再生”した土は、無肥料でも栄養たっぷり。美味しい作物が、育てられるんだそうです。

初めての水菜収穫に、試食が止まらない参加メンバー

今回は特別に、水菜の収穫をさせてもらいました。「すごい!土がフカフカしてる!」土そのものが特別だから、力を加えなくても、簡単に引き抜くことができます。そしてその水菜は、私たちが普段、スーパーで見かける背丈の長い水菜とは違い、茎より葉の部分が多く、幅の広い形をしていました。せっかくなので、収穫したての水菜をその場でいただいてみることに。「味が濃い!水菜って、こんなにしっかりとした味がするんだね!」そう、水菜といえば、水分をたっぷり含んだシャキシャキとした“食感”が印象的な野菜ですが、そのイメージを覆すほど、まず“味”を感じる花岡農恵園の水菜。改めて自然農法が秘めるパワーに、大感動の一同なのでした。

ガレージへと戻り、温かいお茶をいただきながら、花岡さんへの質問タイム

ジャガイモの収穫体験もさせてもらい、新しい学びがいっぱいの楽しい畑見学を終えた一行は、続いて花岡さんから、淡路島での暮らしと農業について伺いました。ツアー参加者の中には、将来、農業を仕事にしたいと考える方も。肉体労働のイメージが強い農業は、どうしても年齢や体力という、物理的な問題を不安視してしまうところ。さらに田舎暮らしは、周りの人とのコミュニケーションも大切です。でも、だからと言って難しく考える必要はなく、「良いも悪いも、どう感じ受け止めるかは、全て“自分次第”。」さらに言えば、大前提として、「農業という仕事に“ワクワクできるかどうか”が大切。」一つ一つの考え深いその答えに、参加者全員、感服の表情。そしてなにか生きるための大切なヒントにも触れられた、そんな感覚も見受けられました。

左から代表の花岡さん・研修生の神山さん・花岡さんのご両親

「地域で循環できる仕事、若者が想いを持ってできる仕事づくりをしていきたい」と語る花岡さんの元では、これまで多くの農業研修生が育ち、独立していきました。現在は、「生活に溶け込む農業のできる田舎暮らしこそが、自分の考える“豊かな暮らし”だった」と、大阪から淡路島へ移住してきた神山さん(左から2番目)が、研修生として学ばれています。花岡農恵園が目指すのは単なる“美味しい野菜作り”ではなく、自然農法という、基本に立ち返る“農業のカタチ作り”であり、それを五感で感じることのできた今回の体験は、まさに島暮らしツアーの名にふさわしい、貴重な出会いとなったのでした。

「花岡農恵園」
http://www.hanaoka-noukeien.jp/index.html

記事:藤本沙紀

この暮らし体験のナビゲーターについて

藤本沙紀

お住まいのエリア:洲本市
職業・所属など:紡ぎ屋(プロデューサー/ライター)

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