島&都市デュアルの楽しさや現実をよりたくさんの人に知っていただくための『デュアルライフスクール』が始まりました。スクールのテーマは大きく3つ。「起業(スタートアップ)」「教育移住」「こだわりモノづくり」です。まずスタートしたのは「起業」のスクール。その様子を6回に渡ってレポート。第2回は9月17日に大阪で開催されたスクールの様子を、洲本市ナビゲーターの藤田祥子がレポートします。
東京永田町を拠点にバンライフを行う渡り鳥ジョニーさん。パーソナルなスペースといくつかのものだけを確保し、ほかはすべてシェアでまかなう暮らしを送っています。(渡り鳥ジョニーさんの「都市型バンライフ」にまつわる詳しいお話は、KIITOナイトのイベントレポートにて!)
そんなジョニーさんのパーソナルスペースである『バン』を、神戸・芦屋・淡路島へと次々に移動。4日間に渡りデュアルライフをリアルに味わったジョニーさんにその様子を報告してもらう『デュアルライフスクール』を大阪・天満橋近くで開校しました。
今回はジョニーさん以外にも、神戸で起業している大津愛さん、芦屋で起業している横山宗助さんもゲストにお迎えし、気になる地方都市での起業についてトークセッションを開催。デュアルな生活に興味をもつ人はもちろん、地域に根差したスタートアップに関心を持つ大阪のみなさんで会場がにぎわいました。
まずはジョニーさんのデュアルライフ体験談から。ジョニーさんがまず話してくれたのは神戸で出会った若きお肉屋さんのお話。神戸のKIITOにバンを停泊させ、ぐるりと街を探検することからスタートした滞在初日。腹ごしらえをするために、噂に聞いていたローストビーフを求めて神戸で人気のセレクト肉屋『Nick』へ行ったそうです。
そこで出会ったのが店主の錦さんでした。
九州や北海道など、さまざまな場所で暮らしてきたジョニーさんが言うには、盛り上がりを見せる地域を訪れると必ずと言っていいほど、ある共通点を持つキーパソンに出会うのだそう。そのキーパーソンとは、スケボーやBMXといったストリート文化の旗手たち。
今回神戸で出会った錦さんも、神戸でも注目を集める若手起業家でありながら、一方でBMXの名手です。いくつものまちを移動してきたからこそ見えてくる興味深い現象を語ってくれるジョニーさんです。
バンを住処にする「バンライフ」ではさまざまなものを誰かとシェアすることが多いので、人との関係性が生きていくための非常に重要な要素になるのだとか。そして情報については、「自分で見て聞いて感じてたことが一番信頼できて役立つ」とジョニーさんは経験則を披露してくれました。
いろんな地域を見てきたその言葉には、会場のみなさんも思わず聞き入る説得力がありました。
さらに興味深かったのは、KIITOを中心に50キロの円を描いた地図。こうして見ると、都市を中心に輪の中に山も海も入ることがわかります。これまでジョニーさんが暮らしてきた博多や札幌も、50キロ圏内に都市と自然が含まれる、バランスのいい都市だったとか。
今回の滞在中、神戸から車で15分の芦屋へむかったジョニーさん。ベーカリーとコーヒーショップに立ち寄り美味しいものを調達し、六甲山の奥池でノマドワーク。残暑がやわらいで、しっかり仕事が捗ったのだとか。
さらに別の日には、仕事のあと気分転換がてら釣りやお寿司を楽しみに淡路島へ。「都会からわずか1時間車で走るだけで大自然を感じられるところに行けて、仲間と魚を釣って料理ができるのはとても魅力的。ちなみにおいしい体験をすると、土地や人とのつながりが、その後も続くことが多いように思います」と、ジョニーさん。
街で打合せをして、その翌日には海や山でノマドワークができる。都会でおしゃれなランチをしたあと、ちょっと足をのばせば島で取れたての食材で作った晩ごはんが楽しめる。ジョニーさん持ち前の勘の良さでまさに「いいとこ取り」をしながら、島&都市デュアルをうたう4市の距離感を体感してくださったようです。
ジョニーさんのお話のあとには、神戸市と芦屋市、2つの都市で起業した2人の起業家がトークを展開してくれました。
まずは芦屋市でグラフィックデザインやコミュニティデザインを手がける横山宗助さんが、その暮らしや仕事ぶりを披露。
横山さんは芦屋市で開業や起業をするメリットとして「芦屋は住宅地としては確かに地価が高いですが、商業地としての側面をみると、神戸の中心部で開業するよりはコストがかからないと思います」と言います。ジョニーさんも芦屋市を訪れた際、ベーカリーやコーヒショップのクオリティの高さに驚いたそう。その理由がひょっとしたら家賃が抑えられる分、原価に回せることにあるのかもしれないなんて! もしそれが本当なら、芦屋市の意外な一面を見つけた感じです。
続いて、神戸市でキャリアカウンセリングの事業を立ち上げた大津愛さんの登壇です。
神戸市で起業(スタートアップ)する魅力について「地方で起業すると母数が少ないので、東京よりも必然的に目立ちます。しかし一方で、東京のようにより早く情報をキャッチしていくことは難しくなります。ところが神戸市はそういった情報収集や起業家同士のつながりの面をフォローしてくれました。それが私にとって魅力的でした」と話しました。
ジョニーさん、横山さん、大津さん。個性的な3人のお話のあとは、島&都市デュアルの4市のおいしいものを囲んでの交流会となりました。淡路市のいちじくや、芦屋市の有名老舗肉店のコロッケなどを囲みテーブルがにぎわいます。
ゲストたちの周りには聞き足りなかった話を聞きたい人たちがいっぱい。それぞれ特色ある4つの市の話や、4市を繋いでの楽しみ方の話など、いつまでも尽きることなく大阪の夜は更けていきました。
東京でも同様の報告会が行われ、ジョニーさんが拠点としている『みどり荘』の仲間たちも参加してくれたそう。
4日間のジョニーさんのデュアルライフが具体的にどんなふうに行われたのか、これからジョニーさんのレポートも更新予定です。お楽しみに!