【ソウルフード~都市編~】ブランド肉店のコロッケ

島&都市ショートコラム。今回のテーマは「ソウルフード」。芦屋で人気のソウルフードは 創業70余年の精肉店のコロッケ。

「芦屋の人っていつもお洒落で高級なものばっかり食べてるんでしょう?」とよく言われますが、声を大にして言います、「そんなことはありません!」。

確かに、カゴいっぱい買うと万札が吹っ飛ぶ高級スーパーや、ぎょっとするような値段のレストランもありますが、そんな高級店を普段使いにしている家はごくわずかです。

では、芦屋市民は何を好んで食べるのか? はずせないものの一つがこれ、「竹園のコロッケ」です。竹園は1946年に創業した神戸牛と但馬牛専門の精肉店。JR芦屋駅前に大きな店を構える芦屋を代表する老舗です。

もちろんお肉も美味しいのですが、よく行列ができているのは店の右端にある揚げ物コーナー。中でも大人気は1個118円のコロッケです。

「肉屋のコロッケ」はどのまちにもよくある名物ですが、ほとんど途切れることのないお客さんを見ていても、「竹園のコロッケは特別美味しい」と思うのは私だけではないと思います。何が美味しいのか私なりに分析してみると、まずしつこくない。できあいのコロッケを食べた時によく経験する胸焼けの記憶が、竹園のコロッケにはありません。次に味がちょっと薄めで上品。好きな調味料をかけて食べるとひと味違った味わいが楽しめて、私はだし醤油をかけて白いごはんと食べるのが大好きです。

JR芦屋駅からいつも使っている駐輪場に行く道すがらにある竹園。仕事からの帰りに前を通り、仕事がうまくいった日には「ご褒美に」、嫌なことがあった時には「元気づけに」、普通の日には「節約おかずに」と、あれこれ理由をつけてつい買ってしまう竹園のコロッケ。これって、「芦屋の」というより「私の」ソウルフードと言うべきかもしれませんね。

この暮らし体験のナビゲーターについて

渡辺直子

お住まいのエリア:芦屋市
職業、所属など:フリープランナー・編集者

詳しいプロフィールはこちら

その他カテゴリーの記事をみる