手に職のない人が里山に移住してみた!vol.4

地方に移住って、何か手に職を持っていないと仕事がないのでは…?について考えてみるコラムです。

暮らしナビゲーターの神戸市在住の鶴巻です。
vol.1vol.2vol.3はこちら。
連載コラムとして書いてきました最終回です。
もしこれまでのコラムを読み、
「俺も手に職ないけどどっかに移住したい!」
と思ってくれる人が一人でもいたとしたら嬉しい!
最終回は、その人へのラブレターを書くつもりで書きたいと思います。

家より人から攻めていく

どこかに移住したい。
その際にはまず何から始めたらよいか。
それは、
「関係性を先につくる」
ことだと思います。

僕自身も定住コーディネーターの仕事をしていて、空き家バンクなどの問い合わせを受けるのですが、多いのは、「移住したいので家が見たいです。」といったようなライトなものです。しかし、正直こういうケースから移住に繋がるケースは少ないです。

なぜならば、受け入れる側の地域が、その人の人となりが全く分からないからです。農村地域への移住は、マンションが空いているから引っ越すというのとは全く異なります。

移住がうまくいっているケースは、先に関係性をつくっていることがほとんどです。

地域で活動しているキーマンを見つける

例えば僕の場合は、神戸市北区淡河町という地域で、「淡河の明日を考える会(通称淡河ワッショイ)」というまちづくりチームが立ち上がったのを聞いて、移住するかどうかも決めていないまま、そこに参加していました。そこで、自然や古民家がどうという前に、淡河の人たちが好きになりました。そして、この地域なら移り住んでも楽しそうだし、何かしらの役に立てそうだと思い、結果その繋がりの中から家を紹介していただき移り住みました。

その後移住してからも仕事は通えていたのですが、少しずつ、
「今の仕事を辞めて淡河でできる仕事を探している」
という自己アピール活動を始めました。
その結果、定住コーディネーターであったり、茅葺き職人をしている淡河ワッショイのメンバーから、
「週に2回でも3回でも現場来たら?」
と言ってもらえたりということがあり、仕事をもらえるようになっていきました。

つまり、その地域や住民との関係性が先にできたというのが、家や仕事がなんとかなった理由だったのです。

他の事例では、農業学校を卒業後、そのまま畑だけ斡旋され、片道1時間かけて来る日も来る日も通っていたときに、

「あそこに空き家があるから住めよ」と言ってもらいそのまま移り住んだという話を聞きました。こういうのが盤石な移住パターンだと思います。

移住を検討している方は、焦らずに、まずは気になった地域に足を運び知り合いをつくり、定期的に通ってみてください。きっといろんな縁が生まれていくはずです。

4回に渡り、お読みいただきありがとうございました。僕の書いた記事が幸せな移住に結び付けば幸いです。

この暮らし体験のナビゲーターについて

鶴巻耕介

2014年に神戸の農村地域に移り住み、コミュニティを耕すの意を込めて「つるまき農園」という屋号で活動中。 百の知恵と技を持つ現代版お百姓さんになりたい。

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