地元の不動産屋だから分かる、移住のこと。住まいのこと。Vol.3

神戸から淡路市にUターンし、海のそばで不動産屋をしている横山夕納です。仕事柄、移住の方の住まい探しのお手伝いをすることも。住宅のこと、移住された方のこと、この連載でお伝えします。

第3回となったこのコラム。今回ご紹介するのは、爽やかなイケメン、和田賢一さんです。
彼の職業はあまりに多彩で、とても一言では言い表せません。
ご本人いわく、「職業は“和田賢一”です。」とのこと。
少し不思議で、とても深い志を持つ和田賢一さんにお話を伺いました。

ビーチフラッグス全国2連覇を成し遂げた、和田賢一さん。

和田賢一さん

【和田賢一さん】
淡路市地域おこし協力隊、ライフセービング活動、講演会やパーソナルコーチなど多岐にわたる活動をする中で、「誰もが誰かのライフセーバーに」という目の前の人を思いやる考えを発信。取材への対応やメディア出演も積極的に行っている。

前回ご紹介した、和泉侃さんと私の不動産業の事務所に来てくださったのが最初です。
和泉さん同様、和田さんも東京からの移住の方。
明るくて、腰が低くて、話しやすい。それでいて、自分の意見ははっきり言うタイプ、というのが第一印象です。
事務所に入ってきた瞬間、明らかに鍛えられた身体を見て「何かスポーツされてるんですか?」とすぐに聞いたことを思い出しました。
その時はまさかビーチフラッグス全国2連覇した猛者だとは思っていなかったのですが、それを知った今になってみると、なんてことを聞いたんだろうという感じです。

Q.なぜ淡路島を選んだのですか?

A.直観です。

答えはこの一言でした。
もともと東京で和泉侃さんと友達だったという和田さん。
地域おこし協力隊の話を和泉さんから聞いて「行ってみようかな」と、
ただそれだけの理由で、淡路島への移住を決めたのだそうです。
驚きなのは、元々移住すら考えていなかったということ。
それで、東京から淡路島へ移り住んでしまうのですから、すごい人です。

Q.この家を選んだ理由は?

A.直観ですね。

和田さんは、とにかく直観を大事にしています。
「直観は、人が持っている最も優れた能力なんだ」と言っていました。
部屋の絶対条件は“東からの日光が入る”こと。
この部屋に入った瞬間に、大きな窓から東からの光が降り注いでいるのを見て、「ここだ!」と思ったそうです。
それに、大家さんが良かったと、しみじみ話していました。
都会では希薄になりがちな、大家さんと賃借人という関係。
でもここでは、直に何でも相談できたり、お裾分けしたり、してもらったり。
時には仕事でも助け合ったりと、密な関係が築けるのがいいのだそう。

大きな窓から、東からの日光がよく入ります。

生活感があるようで、ない。テレビもない、ごくシンプルなお部屋でした。

Q.淡路島で暮らしてみてどうですか?

A.いい感じです。
東京と海外以外に住んだことがないので、そんなにたくさんの土地と比べているわけではないけれど、ここに来て良かったと思っています。
特に食べ物がいい。
魚介類をよく食べるようになりましたね。
東京で食べるものと、ぜんっぜん違います!

魚介類は特に種類の多さも新鮮さも、「東京と全然違う!」と強調していました。
お昼はだいたい、アパートの1階にあるオルガノ食堂で食べているという和田さん。
私もよくここでランチをしますが、新鮮で美味しい料理が
たくさん食べられて、いつも幸せな気分になれる食堂です。

Q.一日の過ごし方は?

A.朝起きて、掃除してからシャワーを浴びて、部屋で朝ごはんを食べます。
その後は大浜海岸でランニングや、サンライズ淡路でウエイトトレーニングなど、ライフセービングの競技の練習をしています。
昼からは、日によって全く違います。
人と会ったり、地域おこし協力隊の仕事をしたり。
ライフセービングクラブを作るにあたっての打合せや資料作りや、市役所でのミーティングなどもあります。
スポーツイベントや合宿の誘致も行っているので、会場候補の場所や海などに行って、視察をするのも大事な仕事の一つ。
実際に走ってみないと分からないので、午前中のトレーニングや競技の練習も、そういった地域おこし協力隊の仕事の一部になっています。

 

視察では、実際にその場所に行って競技をしてみたり、走ってみたりしないといけないので、自然とその場所や土地柄に詳しくなります。
そのことが地域おこし協力隊員としての仕事に貢献している部分もあるのですね。
このように、色々な仕事がリンクして、できることが増えていくのが和田さん流。
トライアスロンや陸上、野球選手のスプリントコーチも、しているので、その選手達に淡路にトレーニングに来てもらうよう要請をしています。
さらには、淡路島でライフセービングクラブを立ち上げようとしている和田さん。
「淡路島の海岸を守る」ひいては「誰もが誰かのライフセーバーになる」という気持ちを持ってもらい、そして、広義の意味で「目の前の人を思いやる」という考えを広めたい。
その想いを具体化するために、まずはライフセービングクラブの立ち上げを目指しているのだそうです。

和田さんが思いついたことを書き入れる大きなホワイトボード。奥の部屋にあります。

和田さんが語ることを文章で紹介すると、ちょっと難しくて、とっつきにくい人なのではないかと思われてしまうかもしれませんが、面と向かって話すと、気さくで、少し天然で、とても話しやすい人、それが和田さんです。
地元の高校で講演会をしたら、ファンができたほど。
和田さんを応援する人が周りに多いことも頷ける、愛されキャラです。

 

今回も面白いお話を聞くことが出来ました。
“直観だけで決めた”というのも、また変わった移住のカタチですね。
そもそも移住には不安がつきものですが、
「とにかく行ってみる! 住んでみる! 暮らしてみる!」
というのもアリなのかなと、お話を聞いていて思いました。
動いてさえいれば“なんとかなる”ものなのかも知れません。

この暮らし体験のナビゲーターについて

横山夕納

淡路島で生まれ、淡路島で育つ。高校卒業後、10年間神戸へ。その後Uターンし、淡路島で姉が始めた不動産を手伝う。

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